時には財布もカロリーも気にせず、お腹いっぱい好物を食べたい、誰しもそんな願望を抱くことがあるだろう。筆者もこれまで、フレンチクルーラーや練乳がけイチゴなどいくつかの夢を叶え、食後しばらくは胸焼けに苦しんで「見るのもイヤ」という気分になったりもしたが、まだ実現していないものもある。例えば生のマンゴー、ビワ、そしてプリンである。

そんな積年の願いが具体化する魔法のようなキット「キングプリン」を発見した。約1.9L分、通常カップサイズ約20杯相当の、バケツで作る巨大プリンだという。つまり1人で20人分のプリンが食べられる! ついに、ついに夢が叶う時が来た。その一部始終をお届けしたい。

・「キングプリン」キット内容

キット内容はシンプル。プリン容器となるプラスチックのバケツに、「プリンの素」と「カラメルシロップ」が入っている。

バケツとはいっても容量1.9Lなので、砂場遊びで使う子ども用バケツのようなミニサイズだ。正直なところ、これだけだとそんなにインパクトはない。

「おうちで簡単! 王様のプリン」の文字とともに、王冠をかぶったプリンのごきげんなイラストがプリントされている。しかしこの王様、自分の頭を食べようとしてないか?

・調理…というほどでもない

さっそく作ってみよう。最初から「プリンの素」が完成されているので、調理方法は極めて簡単である。用意するものは牛乳1.9Lだけ。

牛乳をいつもより多めに消費する「プラスワンプロジェクト」も行われているので、一気に2本使うこのメニューも生産者団体に貢献できるだろう。

……って、900mlっ!?

「明治おいしい牛乳」は900mlなんだ!! 牛乳1パックは1000mlだと思い込んでいた! 2本合わせても100ml足りないじゃないか!

……やむを得ない。誤差の範囲ということでこのまま進めよう。むしろ濃くて美味しくできるかもしれない。

まずは牛乳と「プリンの素」を沸騰するまで火にかける。実は作り方は、沸騰させて粉を溶かす → 冷蔵庫で冷やす、という2工程しかないので、失敗しようがない。沸騰不足だと固まらない場合があるようなので、かき混ぜながらしっかり火を通す。

キッチンにはバニラエッセンスの瓶を開けたときのような甘い匂いが広がった。牛乳も鍋いっぱいともなると、なかなか沸騰しない。湖面のように静かな見た目なのですっかり油断していたら……

げ、鍋底が焦げていた。

すくって捨てようとしても、かき混ぜるたびに次から次へと茶色い焦げが浮いてくる。筆者は料理下手を自認しているが、失敗する方が難しいような簡単キットでこのような事態になり、さすがに自己嫌悪に陥った……。

これから地道な作業に入る。何をしたかはご想像にお任せする。当然だが説明書にはない余分な作業で、自業自得である。もしこれから作られる方は、鍋を火にかけたら一瞬たりとも手を止めず、かき混ぜ続けることが大事だぞ!

バケツに移して粗熱を取ったら、フタをして冷蔵庫で10時間寝かせる。オッケー、オッケー。冷やして固めるわけね。

……そんな場所どこに?

不要不急なものは冷蔵庫から出してスペースを作ることとした。料理をしない我が家でさえ冷蔵庫に余分なスペースはないのに、普通のご家庭だったらもっと困ると思うぞ。

・10時間後……

半日ほど経過したので、冷蔵庫から出して開封の儀を行う。フタを開けてみると……

よしよし、しっかり固まっているようなので、竹串もしくはスプーンでヘリに空気を入れて準備。

バケツを覆うくらいの大きなお皿を用意して

そおれっ!

おお、どっしりした重量感とともに、玉子豆腐のような弾力のある軟体が爆誕した!

添付のカラメルソースでグッとプリンらしく。

気泡も入らず、ツルンときれいにできたのでは?

普通のプッチンプリン、BIGプッチンプリンと比べてもデカい! バケツだけのときは「それほどでも?」と思ったが、「食べ物」として見ると明らかに異常な重さ、大きさだ。

ただし、プッチンプリンは柔らかいので、お皿にプッチンすると途端に引力で平べったくなってしまう。「お前、少し見ない間に縮んだな……」という経験をきっとお持ちだろう。キングプリンは形が崩れない硬めの生地なので、この比較はプッチンプリンがはじめから少々不利である。

・キングとはこういうこと

せっかくなのでプリン・ア・ラ・モード風にトッピングしてみようかな。といっても市販のホイップクリームを絞るだけだが……

うわ、トッピングをほどこしたら急に王様感が出た! さっきまでが裸の王様だとしたら、今は戴冠式を経て正装した姿とでも言えばいいか……!

神々しい……! お誕生会の主役に供されるケーキのような迫力だ。

この風格! 貫禄! 圧倒的存在感!!

これが、これこそがキング・オブ・プリンだー!!

・食べてみよう

ゴージャスでファビュラスでグラマラスな見た目に震えたが、容赦なく食べます。あくまでプリンなので。では、いただきます。

ガツンとくる甘さ! うん、美味しい!

好きなだけプリンが食べられるって夢じゃないか?

カラメルもたっぷりあるから、ケチケチしなくていい。

美味しい! ……けど、なかなか減らないな。

……

……

……

努力の末にだいぶ減った。この勝負、もらった!

……と思わせて、反対側は無傷である。難攻不落。まずい、糖分の取りすぎで気持ち悪くなってきた……。

念のため成分表示を見てみると全量でも753kcalなので、思ったほどでもない……

じゃない、これに牛乳1.8Lプラスだから、およそ2170kcalに!

甘く見ていた……。いや、実際に甘かった。しばらくおやつ要らない。これから作る方へもう1つだけアドバイス。1人で食べようとか無謀だから、何人かで楽しみながらワイワイ作ってね!

・夢が叶うパーティーグッズ

結局、筆者は冷蔵庫に入るサイズに小分けにして、朝昼晩に分けて食べた。1人で食べるのはともかく、お腹いっぱいプリンを食べたいという夢が叶う魔法のアイテムだった。見た目のインパクトもすごいので、社会情勢が落ち着いたらパーティーグッズにもお勧め。

プリンそのものも普通に美味しかった。卵と牛乳でイチから作ってみるのもいいかもしれないが、加熱のプロセスが入ると容器が限定されてくるだろう。規格外のビッグサイズが作れるのは、溶かして固める簡単キットならではだと思われる。

今回使った「キングプリン」はオンラインショップで1500〜2000円ほど。おうち時間にどうぞお試しあれ!

参考リンク:ライソン株式会社
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.