2年に一度巡って来る地球と火星の接近。

このチャンスに、次々と火星に向け探査機が打ち上げられています。

その数多くの探査成果もあって、最近では火星が身近な存在に思えるようにもなって来ています。

しかしそれは錯覚であって、未だ人類が足を踏み入れた事のない未踏の地。

しかも、隣の惑星とは言え、簡単には行けない場所でもあります。

探査機が撮影した地球の砂漠と錯覚しそうな火星の地表画像

火星は地球のスグ外側を公転する、言わばお隣りの惑星。

ですが、お互いが太陽を公転しているので2つの惑星の距離は刻々と変化しており、最も接近した時で約6,000万キロ。

最も離れた時で約4億キロと大きく異なって来ます。

つまり、お隣りとは言えそう簡単に行ける星ではないのです。

しかし、人が直接火星に行けなくても無人の探査機は数多く送り込まれていて、ここ最近では技術の発達もあり、火星地表に降り立ち移動をしながら探査を行っている探査ローバーも活躍しています。

そんな火星探査ローバーのオポチュニティやキュリオシティ等が、火星表面を撮影した映像が公開されています。


「画像参照:オポチュニティ(左)とキュリオシティ(右)NASA/JPL-CALTECH」

下↓↓の動画はオポチュニティやキュリオシティ等が撮影した火星地表画像を繋ぎ合わせた高画質画像との事。

「動画参照:YouTube (プライバシー ポリシー)

この画像を見る限り、とても異星とは思えず、どこか地球上の砂漠の風景か?と錯覚してしまうほどではないでしょうか。

地球と似た火星の風景~しかし現実は全く違う!

探査機が撮影した火星地表の高画質画像。

特徴的な火星の赤い地表ですが、地球上の砂漠の風景と酷似。

人や動物がその辺を歩いていても不思議ではないくらいの、地球によく似た景色が広がっています。

しかしそこは、地球とは根本的に環境が異なる惑星の火星。


「画像参照:左側の轍(わだち)はオプチュニティが通った跡(YouTUBEより)」

画像に映っている場所は、おそらくマイナス50度以下で、大気圧は地球の1%ほど。
酸素などほとんど存在していません。

あまりにも地球の景色に似ているからと言って、もし人が生身の身体で飛び出したら、おそらく1分も経たずに絶命してしまうでしょう。

つまり地球に似ているのは見た目だけ!
現実は生物にとって超過酷な環境なのです。


次世代型火星探査機打ち上げ!新たな火星の画像に期待

ここでご紹介した画像はオポチュニティ(2003年打ち上げ)やキュリオシティ(2011年打ち上げ)が撮影した火星地表の様子ですが、2020年7月30日に、これらに代わる次世代型の最新火星探査車「パーサヴィアランス」が打ち上げられました。


「画像参照:火星で活動するパーサヴィアランスの想像図(NASA/JPL-Caltechより)」

パーサヴィアランスの火星での運用は2021年3月以降で、予定では約2年間のミッションとなっています。

今回、火星探査を行うパーサヴィアランスには28台のカメラが搭載されおり、より鮮明で高画質な火星表面の画像が撮れる事に期待が出来ます。

また、本体のローバーは地表を走行し調査を行いますが、今回は史上初の試みでもある小型のヘリコプター(インジェニュイティ)の導入もあり、上空から撮影した画像にも期待が出来そうです。


「画像参照:火星上空を飛ぶ小型のヘリコプター・インジェニュイティの想像図(NASA/JPL-Caltechより)」

今後の火星探査車の任務は生命存在の痕跡発見

パーサヴィアランスの火星での任務は多岐にわたっていますが、その中で最も注目されている任務は火星での生命存在の痕跡を探す事。

パーサヴィアランスの着陸地点は火星の大シルチス台地にあるジェゼロクレーター。


「画像参照:ジェゼロクレーター(NASA/JPL-Caltechより)」

上↑↑の画像がパーサヴィアランスの着陸地点付近のジェゼロクレーターの一部分になります。
(※ 画像は、わかりやすくするため標高ごとに色分けされています。)

画像の左側を見て頂ければお分かりになると思いますが、河が流れた跡のような地形が見られ、その河口付近の三角州のような場所がパーサヴィアランスの着陸地点になります。

この場所は35億年前には川が流れており、おそらくジェゼロクレーターは湖であった可能性があり、その河口部分と思われる地点を詳しく調査する事で、火星に生命が存在した痕跡があるかも知れないという証拠を見つける事がパーサヴィアランスの任務のひとつとなっています。

つまり、パーサヴィアランスが撮影した画像には、かつて火星で生きていた生物の化石が写し出される可能性もあるワケで、さらにはそのサンプルを地球に持ち帰る事(サンプルリターン)も期待されています。