人類が宇宙に進出し始めて半世紀以上。

既に太陽系の全惑星に探査機を送り込み調査を行って来ました。

しかし、未だに地球以外のどの太陽系天体にも生命の存在はおろか痕跡すら見つかっていません。

ですが、今後も地球外生命体が見つからないというワケではなく、これまでの調査で存在する可能性は十分にある事はわかって来ました。

では、もし地球外生命体が見つかるとしたら、最初に見つかるのはどの天体なのか?

期待度も含めて、独断で有力候補となる天体を5つ順に挙げてみました。

① 最初に地球外生命が見つかるのはやはり火星か?!

火星は太陽系の惑星の中で、最も地球に似た惑星という事は有名です。


「画像参照:Wikipedia」

また、地球の隣りの惑星という事もあり探査もしやすく、何より生命にとって必要不可欠な水(氷)も見つかっています。


「画像参照:氷が蓄積されたコロリョフ・クレーター(ESA/DLR/FU Berlinより)」

ただ、これまでの調査では地上に生命の痕跡は見つかっておらず絶望的。

原因は、火星には大気があるとはいっても大気圧は地球の100分の1程度。

生物にとっては有害な、太陽風や宇宙線といった放射線から守ってくれる磁場もほとんど存在しないからです。

しかし、地表はダメでも地下なら可能性は十分残されています。

火星の地下にはかなりの規模で水がある事が推測されており、また薄い大気中には生物学的プロセスによって作られている可能性のあるメタンが含まれている事も判明しており、この惑星には生命がいるかも知れないという期待度はかなり高いようです。

そして何より、早ければ2020年代後半には有人火星探査が行われる予定で、もしかしたらこの時に火星生命の生きたサンプルを地球に持ち帰る可能性があるかも知れません。


② 生命存在には無縁と思われた金星にも期待度大!

火星に次いで2番目に生命が見つかるかも知れないと思える天体は、意外な惑星・金星です。

金星は地球に最も近い惑星で、質量や大きさは地球に似ており、地球と金星は姉妹惑星と呼ばれていました。


「画像参照:Wikipedia」

半径 質量 密度
地球 6,378km 1 5.52g/cm3
金星 6,052km 0.815倍
(地球:1に対して)
5.20g/cm3

しかし、姉妹とは名ばかりでその環境は全く異なるモノで、温暖な環境で生命に満ち溢れた地球とは真逆と言えるモノ。

金星の地表温度は摂氏500度近くで、気圧は海中900mに相当する90気圧。

さらには雲は硫酸で出来ており、硫酸の雨も降るという超過酷でまさに地獄と呼べるような環境で、考えるまでもなく地表に生命の存在などは絶望的。

ですが、最近の探査で意外な事実が判明。

金星の大気高層領域は、温度が摂氏0~60度で気圧は0.4~2気圧ほどでそれほど過酷ではない環境が維持されており、そこで見つかったのが酸素の少ない環境にすむ一部の嫌気性細菌から生成されるというホスフィン(リン化水素)。

つまり、金星の大気中に生命がいる可能性があれば、無人探査機でも大気中のサンプルを採取する事は可能なワケです。


「画像参照:金星大気に見られる”黒いシミ”(NASAより)」

③ 近々本格的な生命探査が行われる予定のエウロパ

エウロパは木星の衛星で1610年に、かのガリレオ・ガリレイが発見したガリレオ衛星の1つとしても有名です。

エウロパの表面は厚い氷に覆われていますが、その氷の下にはかなりの量の水が液体で存在しているであろうと推測されています。


「画像参照:エウロパの地下に広がる海のイメージ図(Wikipediaより)」

その証拠に、エウロパの南極付近から噴き出す水蒸気らしきモノを発見されており、これが、地下の海から噴出している間欠泉ではないか?と考えられています。


「画像参照:spacetelescope

これにより俄然、生命存在の可能性が高まったエウロパ。

NASAは早ければ2020年代前半には、エウロパの本格的な生命探査ミッションを実施する予定。

そのミッション名は「エウロパ・クリッパー」


「画像参照:エウロパ・クリッパーの想像図(NASA/JPL-Caltechより)」

エウロパ・クリッパーでは、探査機にはカメラ等様々な計測機器を積み込み、これにより上空(最接近時は上空25キロ)から詳しい探査を行う予定。

この探査ではエウロパの地形や内部の詳しい調査が主に行われますが、もしかしたら生命の痕跡を発見できるかも知れません。

④ タイタンの大気圏内で行われるドローン探査に期待!

タイタンは土星の衛星で、原始期の地球に似た大気を持っている事がわかっています。


「画像参照:Wikipedia」

しかもその主成分は地球と同じ窒素で、地表付近の気圧は地球の約1.5倍。

さらには、成分こそ水ではなくメタンやエタンといった炭化水素ですが、雲が存在しそこからメタンの雨が降り、河を造り湖を形成しているといった地球に似た光景が広がっていると考えられています。

光景こそ地球に似てはいますが、残念ながらそこは超極寒の世界でマイナス180度以下の環境が広がっています。

しかし、普通に考えればこれほど極寒の世界で水がないのであれば、生命などいないと考えるのが普通ですが、タイタンを詳しく調査する事で、私たちが持っている常識である宇宙の生命についての知識が一変する可能性はあります。

つまり、地球とは全く異なる世界で生きる生物が居るかも知れない。

これを調査するのがNASAの探査ミッション「ドラゴンフライ」。

「動画参照:YouTube (プライバシー ポリシー)

タイタンには大気がありますのでドローンを飛ばす事は可能です。

この方法により有機物の砂丘から衝突クレーターの底まで、幅広い環境を探査するミッションが2020年代後半に実施される予定です。

⑤ 生命存在の期待度大!?しかし遠い天体エンケラドゥス

エンケラドゥスは、巨大ガス惑星・土星に近い軌道(約24万キロ)を持つ直径500キロほどの小さな衛星です。

エンケラドゥスは別名「太陽系で最も白い星」と呼ばれる厚い氷で覆われた天体です。


「画像参照:Wikipedia」

この衛星に土星探査機・カッシーニが接近した際、南極付近から吹き出す間欠泉を発見。


「画像参照:NASAジェット推進研究所の動画より」

この噴出物を採取し分析したところ、氷の下地下深くには、エウロパ同様に液体の水が大量に存在しており、そこには生命に必要な有機物と熱源があることが判明。

この事実により、小さな天体エンケラドゥスは一気に注目の的となります。

何故、氷の天体エンケラドゥスに熱源があり、水が存在しているのか?

その理由は、エンケラドゥスが土星に極めて近い軌道で公転しているからであり、土星の強い潮汐力で内部に熱が発生しているモノと見られています。

こうなると、早急にこの星への探査が期待されるところですが、今のところ(2020年秋現在)では具体的なエンケラドゥスへの探査計画は発表されていません。

やはりそれは、地球から12億キロ以上という果てしなく遠い距離にあるからでしょうか?

とは言っても、同じ土星の衛星・タイタンには近く探査が行われる予定です。

これほど生命の期待度が高まる天体を無視し続けるのか?

それは流石にないとは思いますが、近々エンケラドゥス探査計画の発表があるかも知れません。